2014年04月07日

営業戦略の定石【競争アイテム編】

前回「 営業戦略の定石(3C編) 」では、次のことを示してきた。

 ・市場の構図は、「自社」「顧客」「競合」の三つ巴であること。
 ・三つ巴の構図には「市場競争原理」が働いていること。
 ・競争優位に立つためには「武器」を持ち、磨き上げること。

自社が狙いを定めた市場とは、まさしく自社が生き残り、繁栄できる要素があるからこそ戦いに挑む価値があるものと言える。

市場での戦いは、格闘技の試合とは違い、敵に対して直接ダメージを与えて勝つものではない。

市場シェアを取るために、個々の顧客に選択材料を与え、「選ばれること」が勝つ証となる。

そこで重要になるのは「戦う武器(=競争アイテム)」だ。

競争アイテムとなるのは、商品力そのものでも良いが、他社も引けを取らない商品力を持っているとすれば、競争優位にはなり得ない。

そうなると、商品力以外で「顧客から選ばれるための価値」を訴える必要があるのだ。

そこが、競争力の源泉になる要素が大きいと言える。

もしも、目の前の顧客からこんな質問があったら、どう答えるだろうか?

 「この商品を、あなたの会社から買うメリットは何ですか?」
 「あなたの会社を選ぶ理由は何ですか?」
 「他社を選んだ方が良い場合はどんなことですか?」

この質問に簡潔に答えられ、かつ、エビデンスが提示でき、顧客が納得することができれば、それが「競争アイテム」に値するものである。

ちなみに「他社を選んだ方が良い場合」の質問であるが、この意味するところは「他社の競争アイテムが何であるか?」である。

競争アイテムとは、他社よりも優れ、勝算が見込めることは自社も他社も考え方は同じである。

もしも、他社が自社よりも競争優位な点で顧客に訴求してきたら、同じ土俵で勝負しても勝ち目はないだろう。

だからこそ、自社の勝負できる土俵で戦うことがセオリーである。

これを言い換えると「本来取れるべき顧客は、絶対に取りこぼさないこと」「勝ち目がないところで、消耗しないこと」である。

取るべきものは何か?捨てても良いものは何か?

まさに営業戦略は「選択と集中」が生命線になることは間違いないと言える。


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2013年11月05日

営業戦略の定石 【3−C編】

前回 「 営業戦略の定石 【戦略本質編】」 では、次のことを示してきた。

  ・ビジネスは「戦(いくさ)」として認識されていること
  ・戦略とは、戦いに勝つために策略を図ること
  ・勝算が見込める「市場」を選ぶこと
  ・そのためには、自社のシーズを明らかにさせること

特に自社のシーズ要件は、戦うための基本装備であり、そこから事業のドメイン(領域)が見えてくる。

ドメインを明らかにすることで、市場(=戦う場)を特定することが可能になる。

では、肝心の市場であるが、その構造はどうなっているのだろうか。

市場の構図を表す時には、「3C」の視点で捉えるとわかりやすい。

3Cとは、自社(=Company)顧客(=Customer)競合(=Competitor)の頭文字を取ったものである。

ここでポイントになるのは、「自社 ⇔ 顧客」という関係以外に「競合」という要素が加わり、三つ巴(どもえ)の縮図が出来上がることだ。

これは、『 自社を知り、顧客を知り、競合を知らなければ戦いに勝つことができない 』 ことを意味する。

特定した市場とは、言ってみれば「自社のシーズ要件にマッチするであろう顧客の集団」である。

しかし、他社も同じようなシーズ要件を装備していれば、当然に「その市場」を狙いにくる。

これが、「市場競争原理」である。

そうなると、一人の顧客をめぐって奪い合いが繰り広げられる。

これが、「市場シェア争い」である。

特定した市場がどんどん拡大するような状態であれば、例え一回戦で敗れたとしても、次の戦いでリベンジすることも可能である。

しかし、飽和状態、縮小路線の市場では、次のチャンスを待っている間に、どんどん他社にシェアを奪われてしまうのは明らかだ。

争いは避けたい?

それだったら、今後成長が見込める新興市場やブルーオーシャン市場に狙いを定めて、自社シーズ要件を整えればいいのではないか。

確かにそれは言える。

しかし、もし「うま味」がある市場だったら、やがて多くのプレイヤーが参入し、レッドオーシャン化する可能性は高いと言える。

いずれにせよ、早かれ遅かれ「競争」は避けられないのだ。

では、競争優位に立つためにはどうしたらいいのだろうか?

一つあげるとすると、「他社より強力な武器(=競争アイテム)を持つこと」である。

考えてみれば当然の話だが、競争市場で武器を持たず「丸腰」で挑んでもまず勝ち目はないだろう。

と言うことで、次回 「 営業戦略の定石 【競争アイテム編】」では、競争優位な戦い方について追及するとしよう。


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2013年10月15日

営業戦略の定石 【戦略本質編】

ビジネスの世界では「戦略」という言葉が実に多く使われる。

そもそも戦略という言葉は軍事用語であるが、ビジネスに好んで使われていることを考えると、まさに「ビジネス=戦(いくさ)」という認識を皆が持っているからではないか。

当然、戦うからには「勝つ」ことが至上命題である。

「どうしたら戦いに勝てるのか?その策略は?方策は?」

まさに、この『勝策』を打ち出すことが戦略なのである。

では、ここから営業における戦略について考えてみよう。

営業を戦(いくさ)として捉えるならば、まず、戦いの場(つまり、戦場)はどこなのだろうか?

これはもちろん、「市場」の何ものでもない。

しかし、ひとえに市場と言ってもあまりに漠然としすぎている。

世の中には、数えきれないくらいの様々な「市場」が存在する。

それらの市場すべてを「戦いの場」に選ぶことは常識的に考えないだろう。

ボクシングの世界で言えば、ヘビー級からミニマム級まで一人で全階級の世界チャンピオンを目指すことと同じである。

  「自社はどこを戦う場とするか?」

まずは、ここが非常に重要な視点である。

当然、戦うからには少しでも「勝算」が見込めることが市場を特定するための定石だ。
そのためには、根本的な戦うための要素をあぶり出す必要がある。

つまりは、こうだ。

  自社のシーズは何か?
  ビジネススキームはどんなものか?

シーズ(=seeds)とは、すなわち、「何がしたいのか?」「何ができるのか?」から物事を発想させ、自社商材(商品・サービス)として実体化したものである。

さらに、ビジネススキームとは「どのようなロジックで儲けを出すか?」を表した収益構造モデルである。

これらは、新規事業として立ち上げを目論む際には、「当たり前」に考えることであるが、既に事業として行っている場合でも、「根本」をあらためて見つめなおすことも必要だろう。

「自社シーズ」と「ビジネススキーム」。

営業戦略を策定するためには、これらをしっかり見定め、さらに具現化に向けて「絵図」を描くこととなる。

と言うことで、次回 「 営業戦略の定石 【3−C編】」 では、市場の構図を捉えながら、競争原理について追及してみるとしよう。


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2013年08月19日

法人営業の定石(提案攻略編)

前回 「 法人営業の定石(初回攻略編) 」 では、客先担当者の視点には、「提案者(売り手企業)」と「その提案内容」の2点に注目していることをお伝えした。

特に、新規取引を持ちかけるようなケースでは、「自社をどう認識させるか?」が重要であり、自社紹介を通じて正しく理解してもらうことが法人営業の定石となる。

今回は、客先担当者のもう一つの視点となる「提案内容」について触れていくことにする。

いわゆる、RFP(=提案依頼書)や客先からの要請がある場合は別として、まずは、持ちかける提案の意味がどこにあるのかを明確にしなければならない。

つまり、「何のための提案なのか?」ということだ。

ここがわからないと、客先担当者が「わが社の経営上どこに作用するものなのか?」が判断できず、よっぽどの暇か特別な利害関係でもない限り、その中身を詳しく聞くことはしないだろう。

次に、提案の中身を見てみよう。

客先企業には、実に多くの提案があらゆる売り手企業から持ちかけられていることを忘れてはならない。

一社独占、特命ならまだしもフリー環境であれば、常に「コンペ」の構図があると思ってよい。

そこで、他社に見劣りする、もしくは、似たり寄ったりの中身では、これもまた、よっぽどの事情がない限り採用されることはない。

  「その提案は、何が優れているのか?」
  「その提案は、いつ、どんな時、どんな効果を発揮するのか?」
  「実現できる確証(裏付け)はどこにあるのか?」

と言ったことを、相手先担当者に理解させることである。

そこで大事になるのは、「理解のさせ方」だ。

購買基準編 でも示したとおり、法人は、物事を感性(情)で捉えることはない。

圧倒的に 「合理主義」「現実主義」 である。

つまり、「夢物語の理想論」や「こうあるべきだ!」といくら語ったところで、ビジネスには結びつきにくい。

ましてや、「ごまかし」や「まやかし」は通用しないと思ってよい。

では、提案攻略のポイントはどこにあるかである。

一つ言うなれば、「法人は、つじつまが取れないものは嫌う」と言うこと。

わかりやすく言えば、「系統性」「整合性」を見ているのである。

これには「論理性」を持って応えるのが一番の攻略ポイントになる。

  「何と何がどう紐付いているのか?」
  「なぜ、そうなるのか?」
  「それらの要素は、どこからきているのか?」

ここが説得力の源泉であり、「刺さる提案」に必要不可欠なものとなる。

このようなことから、法人営業には「論理的思考力」が要求されるのは当然のこととして、しっかり身に着けておくことが肝心と言うことだ。


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2013年08月09日

法人営業の定石(初回攻略編)

前回 「法人営業の定石(購買基準編)」 では、個人と企業の購買判断の違いから次の特性を示した。

・企業は、「感性まかせの衝動買い」はしない
・企業が物事を判断する基準は「企業経営上のメリット」にある
・企業は、合理的に物事を考える

このような企業特性は、当然にその客先である企業の担当者が引き継いでいる。

ということは、個人営業に見られる「泣き落とし」「お願い」「ごり押し」と言った営業手法では、とてもじゃないが通用しないと言うことだ。

では、法人営業マンとして相手先担当者とどのように向き合えば良いのだろうか?

「企業は、合理的に物事を考える」と言ったが、それは客先担当者も同じ。

言葉を変えると、「ビジネスライク」と言うことだ。

ビジネスライクとは、職業的、事務的、合理的、感情を優先させない姿勢である。

では、企業に提案を持ちかける場合、客先担当者はどのような視点で物事を解釈するのかを考えてみよう。

まず、大きな視点は2つに大別される。

一つは、提案者(売り手企業)のこと。
二つ目は、その提案の内容である。

そもそも、BtoB取引の特性の一つに「継続性」がある。

設立まもない会社は別として、企業のほとんどは経営上に必要なあらゆる商取引ルート(既存取引先)を確保しているはずだ。

その隙間を探し、新規取引を持ち掛けるようなことであれば、客先の担当者は、この「継続性」の観点から、相手の信頼性や関係性、将来の発展性などについて慎重に考慮することになる。

後々に、いわゆる「与信」ということにも繋がるのだが、

  「この会社はどんな会社か?」
  「これまでの実績は?」
  「会社の信頼性は?」
  「わが社との繋がり(利害関係者)は?」
  「売り手側担当者の属性は?」
  「この会社と取引する価値はどこにあるのか?」

と言ったことを、初期段階でチェックするのである。

つまり、売り手側の法人営業マンは、これらの要素を客先担当者にしっかり理解してもらわなければ、物事が始まらないというわけだ。

だから、商談プロセス上には「自社紹介」というフェーズが存在する。

自社紹介とは決して形式的なものでなく、真の目的は「自社を正しく理解してもらうこと」に他ならない。

例え、誰もが知っている有名企業だって、客先担当者が正しい認識をしてくれているとは限らない。

  「自社は、どのように相手から思われているか?」
  「自社をどのように思ってもらいたいか?」

このような観点から、自社紹介の組み立てを再検証してみてはいかがだろうか?

さて、次回 「 法人営業の定石(提案攻略編) 」 では、客先担当者のもう一つの視点である「提案内容」について、攻略ポイントを取り上げてみよう。



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