それは、「営業日報について」である。
「営業日報を毎日つけている方は?」と質問すると、だいたいの人は「つけている」と手を上げる。
しかし、この「営業日報」、企業や営業マンによって、だいぶ活用の仕方に違いがあるようである。
一日の活動を記録としてつけている者、活動を振り返って反省文を書いている者など様々。
中には、「うちは日報をIT化しています!」と言うことで詳しく聞いてみると、「訪問予定先や活動時間などを共有ソフトを使って組織で把握している」と言う。
「ん?それって、ひょっとしてグループウェアのことじゃない?」と、半分コケそうになったこともある。
正直言うと、営業日報を本当の意味で有効的に活用している企業は少ないと思える。
本来の営業日報とは、戦略的に活用するマネジメントツールでなければならないのである。
マネジメントとは言い換えると「PDCA」そのもの。
つまり、営業日報の本質は1日のPDCAを「見える化」したものが本来的な形なのだ。
[P] 何を計画したのか?
[D] 何を実行したのか?
[C] 何ができて、何ができなかったか?
[A] ネクストアクション(次行動)はどうするのか?
私もコンサルタントという仕事柄、色々な営業日報を見てきたが、特に[C]と[A]の部分に疑問を持つことが多い。
[C]の部分は、文字通り「検証」であるが、「事実」が曖昧のまま「反省すること」が主体となっているケースが目立つ。
大切なのは、反省することではなく「差異」を分析し、原因を突き止めることである。
[A]の部分についても、「反省からの延長」で「こうしたい、ああしたい」で終わりにしてしまうケースが多く見られる。
大切なのは「いつまでに、何を、どうするのか?」と言った未来改善行動の提示である。
また、営業日報は営業マン本人だけのものではない。
営業マネジャーをはじめ、チーム全体で共有すべきものである。
特に、営業マネジャーは、メンバーそれぞれの日報から様々な情報を読み取り、的確なフィードバックを施すことで、チームとしてマネジメントの適正化も図ることが可能になる。
営業日報を戦略ツールとして活用するか、それとも単なる業務日誌に留めるのか、営業部門全体で改めて検証する機会を持ってはいかがだろうか?




