・企業は、「感性まかせの衝動買い」はしない
・企業が物事を判断する基準は「企業経営上のメリット」にある
・企業は、合理的に物事を考える
このような企業特性は、当然にその客先である企業の担当者が引き継いでいる。
ということは、個人営業に見られる「泣き落とし」「お願い」「ごり押し」と言った営業手法では、とてもじゃないが通用しないと言うことだ。
では、法人営業マンとして相手先担当者とどのように向き合えば良いのだろうか?
「企業は、合理的に物事を考える」と言ったが、それは客先担当者も同じ。
言葉を変えると、「ビジネスライク」と言うことだ。
ビジネスライクとは、職業的、事務的、合理的、感情を優先させない姿勢である。
では、企業に提案を持ちかける場合、客先担当者はどのような視点で物事を解釈するのかを考えてみよう。
まず、大きな視点は2つに大別される。
一つは、提案者(売り手企業)のこと。
二つ目は、その提案の内容である。
そもそも、BtoB取引の特性の一つに「継続性」がある。
設立まもない会社は別として、企業のほとんどは経営上に必要なあらゆる商取引ルート(既存取引先)を確保しているはずだ。
その隙間を探し、新規取引を持ち掛けるようなことであれば、客先の担当者は、この「継続性」の観点から、相手の信頼性や関係性、将来の発展性などについて慎重に考慮することになる。
後々に、いわゆる「与信」ということにも繋がるのだが、
「この会社はどんな会社か?」
「これまでの実績は?」
「会社の信頼性は?」
「わが社との繋がり(利害関係者)は?」
「売り手側担当者の属性は?」
「この会社と取引する価値はどこにあるのか?」
と言ったことを、初期段階でチェックするのである。
つまり、売り手側の法人営業マンは、これらの要素を客先担当者にしっかり理解してもらわなければ、物事が始まらないというわけだ。
だから、商談プロセス上には「自社紹介」というフェーズが存在する。
自社紹介とは決して形式的なものでなく、真の目的は「自社を正しく理解してもらうこと」に他ならない。
例え、誰もが知っている有名企業だって、客先担当者が正しい認識をしてくれているとは限らない。
「自社は、どのように相手から思われているか?」
「自社をどのように思ってもらいたいか?」
このような観点から、自社紹介の組み立てを再検証してみてはいかがだろうか?
さて、次回 「 法人営業の定石(提案攻略編) 」 では、客先担当者のもう一つの視点である「提案内容」について、攻略ポイントを取り上げてみよう。




