・商談における情報収集とは、「相手を知るため」に行われるものである。
・その精度により「提案の質」に大きな影響を及ぼす。
今回は、プロセスをさらにステップアップして「プレゼンテーション」の段階ポイントを取り上げてみよう。
商談で行うプレゼンとは、すなわち「提案する」ということになる。
では、何を提案するのか?
答えは大きく2つ。
一つは、「相手のニーズを満たすための策」。
もう一つは、「相手の問題を解決するための策」である。
どちらの「策」にしても共通して言えるのは、相手にとって『得策』になっていることが必要だ。
また、「得策」であったとしても、今度はそれを「どう伝えるか?」という問題が残る。
ここで注意しなくてはならない事は、この「伝える」というのは、自分本位で見た行為である。
当然、プレゼンには「相手」がいる。
ということは、単に伝えるだけでは事足りず、しっかりと「相手に理解してもらうこと」が大前提と言うわけだ。
これが、プレゼン段階で目指すべき「到達点」となる。
では、「いかに理解してもらうか?」
これをひも解くには、「表現方法」をしっかり考える必要がある。
ここでは、3つのポイントに絞って紹介しておこう。
「ビジュアルプレゼンテーション」という言葉を耳にしたことはないだろうか?
プレゼンのビジュアル化とは、「視覚に訴える」ことを意味する。
なぜならば、人間の学習効果は『耳から入る情報よりも視覚から入る情報の方が、はるかに認識力が高い』からである。
ここぞ!とばかり「言葉攻めのマシンガントーク」で伝える方法よりも、「まず、こちらをご覧下さい!」で始まる提案ツールを用意することが第一のポイントだ。
しかし、いかに視覚に訴える提案ツールを用意しても、内容が支離滅裂であっては何もならない。
そこで、「刺さる提案」が大切な要素となる。
「刺さる」とは、すなわち、「まったく、その通りですな!」と相手を納得させる要素のことである。
これには、「ロジカルプレゼンテーション」という「理に適(かな)った提案」が必要だ。
「何故、そうなるのか?」、つまりは、「こうだから、こう、こうなると、こう、従ってこうなる」といった『ロジック』が要求されるわけで、これが第二のポイントになる。
そして第三のポイントは「プレゼンターの心意気」である。
人間心理には「エコー(やまびこ)効果」というものがある。
例えるならば、「自分の意気込みは相手に伝わり、それが返ってくる」と言うことだ。
「真剣に、誠実に、一生懸命に」取り組む姿勢こそが、実は『説得力の源泉』ということを忘れてはならない。
では、ここでいったんプレゼン段階の総括をしよう。
プレゼンテーションは、「得策」について相手に理解してもらうことが段階到達点である。
そして、次の段階へ確実にステップアップさせることが求められるわけである。
次の段階とは、そう!「意思決定に導く段階」だ。
しかし、相手の意思決定に導くためには、それなりに成立させる行為が必要となる。
それが「クロージング」というわけだ。
この続きは、次回「商談プロセスの定石(クロージング編)」で詳しくお伝えするとしよう。




