あるセミナーというのは、某ITベンダーが主催する「SFA活用セミナー」である。
その社長さんは、SFAに以前から関心があり、営業のIT化に向けて導入を模索中であった。
セミナー講師を担当していたのは、某ITベンダーの社員で「SFAコンサルタント」の肩書を持つお方。
私は内心、「どうせ、自社製品のスペック説明が中心だろうな〜」と思いきや、営業プロセス管理の重要性について語りはじめた。
「おぉ!さすが、SFAコンサルと言うことだけあって、本質をよくわかっていらっしゃる!」と聞く姿勢を正した。
(SFAコンサルの語り)
「まず、現在の営業プロセスを再構築することが重要なんです」
:「ふんふん」←私の心のリアクション
「自社の営業社員がどのようなプロセスで活動しているか洗い出しましょう」
:「ごもっとも!」
「それらのプロセスを分析し、平準化を図っていくんです」
:「なっとくです!」
「参考にするプロセスは、業績が平均か少し上ぐらいの営業社員に注目しましょう」
:「ん!?」
「なぜならば、トップ営業マンは、独自性が強すぎて参考にはなりません」
:「???」
「中間より上ぐらいのレベルが汎用化しやすいので、そこから組立てましょう!」
:「ぶっとび〜!」
と、まぁわたしのリアクションは少しオーバー目に表現したが、そのくらい驚きがあったということだ。
わたしが何を言いたいかというと、営業プロセスは言いかえると「自社の勝ちパターン」である。つまり、トップセールスの中にある独自性の要素にナレッジやノウハウのお宝が詰まっているということだ。
それを参考にしないということは、「私は、トップセールスの暗黙知を形式知には転換できません」と公言しているように映ってしまう。
それで、「属人的な営業スタイルを打破しましょう!」と言っているSFAコンサルのお方は、どうお感じになるのだろうか?
念のためフォローすると、このベンダーのSFAの製品自体はインターフェイスも使いやすく、綿密にシステム化され、優れた製品であることは間違いない。
しかし、どんな優れた営業ツールでもそれを使いこなすための基盤が整えきれなければ、意味を成さないということだ。





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