共通しているのは、「環境」や「エネルギー」と密接な関わりがあることだ。
では、2つの違いは何か?
これを、環境ビジネスやマーケティングの観点から見てみると、「志向」の違いであると言える。
エコノミーとは、「節約」や「経済的」と言う意味を持つ。
つまり、「節約→エネルギー負荷低減=省エネ→コスト(出費)低減」という論理で物事を捉え、価値感を見いだしているのが、エコノミー志向の特徴と言ったところか。
一方のエコロジー志向は、自然や環境との調和をスローガンに掲げ、行動の優先付けを行う。
その特徴は、「モラル(=正しい行為)」を優先させる意識が高いため、決して損得勘定が先ではない。
その身近な「エコモラル」と言えるのが、ゴミの分別。
生ゴミ、不燃ゴミ、危険物、資源ゴミなどを細かく分けたうえで、それぞれ指定された曜日に指定された場所へ、指定された時間までに指定された方法でゴミ出しをしなくてはならない。
それだけ考えても、結構な労力と気を使う作業である。
損得で考えたら、誰もやる人はいないだろう。
では、なぜゴミの分別を皆はやるのだろうか?
それは、「モラル」を優先させているからではないだろうか。
もちろん、ゴミ出しのルールを破ってモラル違反のレッテルを張られたくないだろうし、場合によっては罰則対象にもなりかねないことも影響しているだろう。
色々と思うところがあるが、ポジティブに捉えるならば、社会の一員として環境に貢献をする意識からくる「モラル行動」と言える。
意識は行動を変える、行動の継続は習慣をもたらす。
つまり、嫌々のゴミ分別も意識からくる行動が習慣化されれば「当たり前」になるということだ。
世の中には、省エネに配慮した商品やサービスが様々あるが、消費者(顧客)がエコノミー志向の価値感だけでは、最後は「損得」のみで判断しかねない。
しかし、省エネ商材の本質は「地球環境や資源エネルギー負荷の低減」であり、それに貢献することが「モラル(=正しい行動)である!」と言う意識が前提となる。
環境ビジネス成功のカギは、まさに「エコノミー志向」から「エコロジー志向」へ消費者をどう導いていくかにかかっているのではないだろうか。




