省エネ法とは、正式名称を「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(昭和54年法律第49号)の略称。
平成22年度には改正省エネ法の施行により、規制対象者の範囲が拡大されたのは記憶に新しいところだ。
しかし、現在政府内において、省エネ規制の更なる厳格化の動きがある。
規制対象にあるのは、新築ビルや住宅。
すべての新築ビルや住宅に対して、「省エネ基準適合義務化」を段階的に引き上げ、2020年には全面義務化を目指す方針を固めている。
この背景には、国内で排出される温室効果ガスの部門別排出量において、民生(家庭・事業所など)部門の排出量に歯止めがかかっていないため、建築物の断熱性能を高めることでエネルギー使用量の低減に結びつけるねらいがある。
そもそも省エネ法が制定された目的は、オイルショックを契機に石油をはじめとした化石燃料エネルギーの使用合理化を目指すものが本来的な捉え方である。
その指標となるものが「原単位」。
原単位とは、単位あたりのエネルギー使用量であり、簡単に言うと「エネルギー効率をどう高めるか」である。
現在、規制対象になっている事業者などは、年1%以上の原単位削減義務を負っている。
しかし、東日本大震災以降、省エネ対策にあらたな視点が加わっている。
それは、「脱原発による電力需給にどう対応するか」、いわゆる「ピーク対応」である。
ピーク対応は、需給バランスの安定とムダの削減を目指すことで、省エネ化を図ることを指す。
その想定アイテムには「自家発、蓄電池、エネルギー管理システム(HEMS,BEMS),蓄熱式空調、ガス空調」などが考えられている。
このことから、今後の省エネ対策をひも解くと、再生可能エネルギーや燃料電池などであらたな電力創出とITの導入で「見える化」を図ることで、需給全体をリアルタイムに把握し、ピーク対応に備えることが本流になるであろう。




