そもそも戦略という言葉は軍事用語であるが、ビジネスに好んで使われていることを考えると、まさに「ビジネス=戦(いくさ)」という認識を皆が持っているからではないか。
当然、戦うからには「勝つ」ことが至上命題である。
「どうしたら戦いに勝てるのか?その策略は?方策は?」
まさに、この『勝策』を打ち出すことが戦略なのである。
では、ここから営業における戦略について考えてみよう。
営業を戦(いくさ)として捉えるならば、まず、戦いの場(つまり、戦場)はどこなのだろうか?
これはもちろん、「市場」の何ものでもない。
しかし、ひとえに市場と言ってもあまりに漠然としすぎている。
世の中には、数えきれないくらいの様々な「市場」が存在する。
それらの市場すべてを「戦いの場」に選ぶことは常識的に考えないだろう。
ボクシングの世界で言えば、ヘビー級からミニマム級まで一人で全階級の世界チャンピオンを目指すことと同じである。
「自社はどこを戦う場とするか?」
まずは、ここが非常に重要な視点である。
当然、戦うからには少しでも「勝算」が見込めることが市場を特定するための定石だ。
そのためには、根本的な戦うための要素をあぶり出す必要がある。
つまりは、こうだ。
自社のシーズは何か?
ビジネススキームはどんなものか?
シーズ(=seeds)とは、すなわち、「何がしたいのか?」「何ができるのか?」から物事を発想させ、自社商材(商品・サービス)として実体化したものである。
さらに、ビジネススキームとは「どのようなロジックで儲けを出すか?」を表した収益構造モデルである。
これらは、新規事業として立ち上げを目論む際には、「当たり前」に考えることであるが、既に事業として行っている場合でも、「根本」をあらためて見つめなおすことも必要だろう。
「自社シーズ」と「ビジネススキーム」。
営業戦略を策定するためには、これらをしっかり見定め、さらに具現化に向けて「絵図」を描くこととなる。
と言うことで、次回 「 営業戦略の定石 【3−C編】」 では、市場の構図を捉えながら、競争原理について追及してみるとしよう。




