2013年08月19日

法人営業の定石(提案攻略編)

前回 「 法人営業の定石(初回攻略編) 」 では、客先担当者の視点には、「提案者(売り手企業)」と「その提案内容」の2点に注目していることをお伝えした。

特に、新規取引を持ちかけるようなケースでは、「自社をどう認識させるか?」が重要であり、自社紹介を通じて正しく理解してもらうことが法人営業の定石となる。

今回は、客先担当者のもう一つの視点となる「提案内容」について触れていくことにする。

いわゆる、RFP(=提案依頼書)や客先からの要請がある場合は別として、まずは、持ちかける提案の意味がどこにあるのかを明確にしなければならない。

つまり、「何のための提案なのか?」ということだ。

ここがわからないと、客先担当者が「わが社の経営上どこに作用するものなのか?」が判断できず、よっぽどの暇か特別な利害関係でもない限り、その中身を詳しく聞くことはしないだろう。

次に、提案の中身を見てみよう。

客先企業には、実に多くの提案があらゆる売り手企業から持ちかけられていることを忘れてはならない。

一社独占、特命ならまだしもフリー環境であれば、常に「コンペ」の構図があると思ってよい。

そこで、他社に見劣りする、もしくは、似たり寄ったりの中身では、これもまた、よっぽどの事情がない限り採用されることはない。

  「その提案は、何が優れているのか?」
  「その提案は、いつ、どんな時、どんな効果を発揮するのか?」
  「実現できる確証(裏付け)はどこにあるのか?」

と言ったことを、相手先担当者に理解させることである。

そこで大事になるのは、「理解のさせ方」だ。

購買基準編 でも示したとおり、法人は、物事を感性(情)で捉えることはない。

圧倒的に 「合理主義」「現実主義」 である。

つまり、「夢物語の理想論」や「こうあるべきだ!」といくら語ったところで、ビジネスには結びつきにくい。

ましてや、「ごまかし」や「まやかし」は通用しないと思ってよい。

では、提案攻略のポイントはどこにあるかである。

一つ言うなれば、「法人は、つじつまが取れないものは嫌う」と言うこと。

わかりやすく言えば、「系統性」「整合性」を見ているのである。

これには「論理性」を持って応えるのが一番の攻略ポイントになる。

  「何と何がどう紐付いているのか?」
  「なぜ、そうなるのか?」
  「それらの要素は、どこからきているのか?」

ここが説得力の源泉であり、「刺さる提案」に必要不可欠なものとなる。

このようなことから、法人営業には「論理的思考力」が要求されるのは当然のこととして、しっかり身に着けておくことが肝心と言うことだ。


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2013年08月09日

法人営業の定石(初回攻略編)

前回 「法人営業の定石(購買基準編)」 では、個人と企業の購買判断の違いから次の特性を示した。

・企業は、「感性まかせの衝動買い」はしない
・企業が物事を判断する基準は「企業経営上のメリット」にある
・企業は、合理的に物事を考える

このような企業特性は、当然にその客先である企業の担当者が引き継いでいる。

ということは、個人営業に見られる「泣き落とし」「お願い」「ごり押し」と言った営業手法では、とてもじゃないが通用しないと言うことだ。

では、法人営業マンとして相手先担当者とどのように向き合えば良いのだろうか?

「企業は、合理的に物事を考える」と言ったが、それは客先担当者も同じ。

言葉を変えると、「ビジネスライク」と言うことだ。

ビジネスライクとは、職業的、事務的、合理的、感情を優先させない姿勢である。

では、企業に提案を持ちかける場合、客先担当者はどのような視点で物事を解釈するのかを考えてみよう。

まず、大きな視点は2つに大別される。

一つは、提案者(売り手企業)のこと。
二つ目は、その提案の内容である。

そもそも、BtoB取引の特性の一つに「継続性」がある。

設立まもない会社は別として、企業のほとんどは経営上に必要なあらゆる商取引ルート(既存取引先)を確保しているはずだ。

その隙間を探し、新規取引を持ち掛けるようなことであれば、客先の担当者は、この「継続性」の観点から、相手の信頼性や関係性、将来の発展性などについて慎重に考慮することになる。

後々に、いわゆる「与信」ということにも繋がるのだが、

  「この会社はどんな会社か?」
  「これまでの実績は?」
  「会社の信頼性は?」
  「わが社との繋がり(利害関係者)は?」
  「売り手側担当者の属性は?」
  「この会社と取引する価値はどこにあるのか?」

と言ったことを、初期段階でチェックするのである。

つまり、売り手側の法人営業マンは、これらの要素を客先担当者にしっかり理解してもらわなければ、物事が始まらないというわけだ。

だから、商談プロセス上には「自社紹介」というフェーズが存在する。

自社紹介とは決して形式的なものでなく、真の目的は「自社を正しく理解してもらうこと」に他ならない。

例え、誰もが知っている有名企業だって、客先担当者が正しい認識をしてくれているとは限らない。

  「自社は、どのように相手から思われているか?」
  「自社をどのように思ってもらいたいか?」

このような観点から、自社紹介の組み立てを再検証してみてはいかがだろうか?

さて、次回 「 法人営業の定石(提案攻略編) 」 では、客先担当者のもう一つの視点である「提案内容」について、攻略ポイントを取り上げてみよう。



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