弊社に初めて営業コンサルティングや営業研修などについて、ご相談いただく企業担当者の方には、必ずこのような質問をどこかで投げかけている。
では、この質問の意図は何なのか?
それは、それぞれの営業スタイルの違いにより捉える視点が異なるため、把握する必要があると言うことだ。
「ええ、うちは提案営業を基本としています」
「飛び込み営業一本でやっています」
「完全テレアポスタイルです」
「基本は訪問営業です」
「しいて言うと、反響営業ですね」
「来店型営業に徐々に移行しています」
と、こんな感じで、様々なフリーワードで答えが返ってくる。
これらの回答から、その企業の基本スタイルが「PULL型」か「PUSH型」か、察しがつく。
PULL型とPUSH型、これらは営業手法として表現されることが多いが、どちらかと言うと「マーケティング手法の違い」である。
簡単に説明すると、売り手側を基点としてPULL型は「お客さんを集める手法」、PUSH型は「お客さんを探し出す手法」と言ったところか。
いずれにせよ、売り手が「見込み客をいかに効率的に掴むか?」を前提に、最善の手法を選択することが求められるのだ。
しかし、この2つの手法を捉える前に、もっと大事なことが一つある。
それは、「顧客は誰か?」ということだ。
いわゆる「誰をターゲットにするのか?」であるが、その属性は、大きく2つに大別されると言ってよい。
一つは「個人(=パーソナル・エンドユーザー)向け」、
もう一つは「法人向け」である。
このターゲット属性の違いは、売り手側が「どのような戦略をとるのか?」、いわゆる「事業ドメイン」によって決まると言っていいだろう。
これにより、「個人」をターゲットにするのであれば「個人営業」。
「法人」をターゲットにすれば「法人営業」というスタイルになる。
この2つのスタイルに、先に示した「PULL型」「PUSH型」を組み合わせると、個々の企業がどのような営業スタイルを取っているか、大枠が見えてくるのだ。
では、ここから課題を提起しよう。
個人営業と法人営業、同じ「営業」というカテゴリーなのだが、その違いをイマイチ捉え切れていない営業マンもいる。
冒頭に「営業スタイルの違いにより、捉える視点が異なる」と言ったが、個人営業のスタイルをそのまま法人に仕向けてもどこかで弊害が出るし、また、その逆もしかりである。
このようなことで、次回 「法人営業の定石(法人理解編)」 では、個人営業との相違点から法人営業の特性を明らかにしてみよう。




