2013年04月25日

コンサルティング営業(本質理解編)

「コンサルティング営業スタッフ募集中!」
よく、求人広告で目にする代表的な業界が「保険会社」のそれである。

「コンサルティング営業」
何か、名前だけはかっこよく聞こえる。

しかし、単に「営業」としないで「コンサルティング」がくっついているからには、それなりに意味があってのことだろう。

ということで、保険会社に限ったことではないが、まずは「コンサルティング」の定義について確認してみようではないか。

いわゆる一般的な定義では、「相談、指導、診断、助言」などの行為を指しているみたいだが、これではあまりに端的でわかりにくい。

そこで、私流の捉え方で補足解説してみよう。

世の中には、様々なモノ(商品・サービス)が溢れている。
一つのカテゴリーを見ても、色々な種類、グレード、パターン、コースが用意されていることもある。
もちろん、提供価格、サービス内容も様々。

大衆化されたモノ、誰もが周知のモノ、単純なモノなら自分(お客さん)自身で選ぶことはできる。
しかし、複雑なモノ、高額なモノ、リスクが大きなモノなどは、自らで選べないこともある。

「こんな商品が欲しい、こんなサービスを受けたい!」と思っているのに、「自分にとって何が最適なのか?」がわからないことも多々あるのだ。

では、売り手はそれをどうやって解決できるのか?

そう!「コンサルティング」を行うことで解決に導くわけである。

私は、コンサルティングのゴールとは、「お客さんが自ら判断できるようにすることである」と思っている。
そのためには、お客さんの事情をしっかり把握しなければ始まらない。
つまり、「相手を知る」ということだ。

  お客さんは何をしたがっているのか?
  なぜ、それが必要なのか?
  購入後、どんな姿をイメージしているか?
  何をもって『良し』と考えるのか?
  どのくらいの予算で実現させたいのか?

このようなことをしっかり聞き出し、根拠としながら、専門家の見地から最適なモノを絞り込んであげるわけである。

また、お客さん自身が選べるようにするためには、「判断材料の提供」も重要だ。
材料とは、情報、データ、導入実績、活用事例などを指している。

前回「コンサルティング営業(ケース事例編)」であったように、お客さんに十分な判断材料を提供できないようでは「コンサルティング」としての資質を問われてもしょうがない。

お客さん自らが理解し、納得して選んでもらえる体制づくりがコンサルティングの本質である。

そして「コンサルティング」に「営業」がくっついている以上は、受注獲得を目指し自社の収益に貢献することが使命でもあるのだ。

例えば、お客さんに判断材料を提供できたとしても、まだ購入に関して「迷い」や「とまどい」もあるだろう。
そんな時は、最初から売り手側が商品やサービスを絞り込むのではなく、

  「AとBだったらどっちがいいですか?」
  「CとDだったらどっちがいいですか?」
  「では、AとDだったらどうですか?」

というように、お客さんに選択させながら絞り込んでいく方法もある。
もちろん、A〜Dについて、お客さんが基本理解していることが前提である。

こうすれば、「売り手に決めさせられた」ということではなく「自分で決めた」という納得感が購入の決め手になることも十分ありうる話しだ。

どうだろう。
少しは「コンサルティング営業」について感覚的にご理解いただけただろうか。
自社の売りモノが「お客さん自らで判断できるのか?」を出発点に、あらためて営業手法を見直してみてもいいのではないか。


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2013年04月15日

コンサルティング営業(ケース事例編)

私事であるが、自分の保険について見直しをしようと思いつき、生保数社からパンフレットを取り寄せてみた。

数日後、パンフレットが届いたので早速中身を見てみると…
「驚愕!」
終身保険?養老保険?医療保険?がん保険?さらに特約???

あまりにプランが複雑すぎて、さっぱりわからんではないか!
携帯電話の料金プランも複雑だが、生保のプランも同等かそれ以上に難解である。

「さて困った、自分にとって最適なプランはどれか?…」

私は、無い頭をフル回転させながら、生保パンフレットの「あるページ」に目が留まった。
「あるページ」とは、保険金が支払われたケース事例が掲載してあるページだ。

「○○プラン:ガンが見つかり手術して入院×日だった場合、受取り保険金合計△円」

私はこれを見て疑問に思った。
確かに、これで「いくら保険金が受け取れるか」はわかる。

しかし、「医療費として、いくらかかるのか?」「保険金で全額まかなえるのか?」「まかなえないなら、どのくらい自己負担が必要になるのか?」といった、保険金に対比する医療費相場が書かれていない。

「これじゃあ、何を目安にプランを決めていいかわからないじゃないか!」
と思いつつ、早速、保険会社の担当者に電話を入れてみることにした。

 :「一つ聞いていいですか?」
 相手:「はい、どんなことでしょうか?」

 :「○ページのケース事例ですが、医療費の相場が書かれていないですよね?」
 相手:「えぇ、確かに」

 :「このケース事例では、医療費はいくら位かかるものなんですか?」
 相手:「それは、色々なケースがあるので一概にいくらとは申し上げられないんです」

 :「ん?いや、そうじゃなくて、この掲載してあるケース事例の場合でいいんです」
 相手:「…少々お待ちください、上の者に聞いてみます」

  ↓ (1、2分待たされて)

 相手:「すみません、ハッキリした金額はちょっと申し上げられないんです」
 :「はい?私は書いてある事例での医療費がわかればいいんですが…」

 相手:「すみません、これはお客様の声として参考にさせていただきます」
 :「いや、そうじゃないでしょ?何かわかる方法はないんですか?」

 相手:「ええ…」
 :「これ御社が作ったパンフでしょ?」

 相手:「・・・」
 :「これを作った元の資料やデータはないんですか?」 

 相手:「そういったものが…」
 :「でしたら、他でこんな類のものを公表してませんか?」

 相手:「あるかもしれません…」
 :「でしたら、そこを調べればわかるかもしれませんよね?」

 相手:「そうですね…、申し訳ないですが…」
 :「はぃ?あ、そうなの」 ← 心の声:「自分で調べろってか、もういい!」

と、こんな会話を10分程度繰り広げた。

さて、次回「コンサルティング営業(本質理解編)」で、このケース事例から営業コンサルタントの視点で『コンサルティング営業』についてひも解いてみることにしよう。


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2013年04月05日

商談プロセスの定石(実践適応編)

前回「商談プロセスの定石(実践ケース編)」では、次のことを示した。

 ・商談プロセスは売り手都合の「解」である。
 ・お客さんは様々な形から買い手の都合で商談を進めようとする。
 ・だからと言って、お客さんのペースで商談を進めてしまうことは少々問題である。

今回は、実践適応編ということで、実際に商談を展開していくうえでの最適行動の「解」を見つけ出してみよう。

まず、前回のケース事例をあらためて取り上げてみる。

例)「ある不動産販売物件の広告チラシを見て、お客さんから電話で問合せがあったケース」

お客さん:「今日の広告をみたんだけど…」
営業マン:「ありがとうございます」
お客さん:「この○○の物件なんだけど、いくらまで安くできるの?」
営業マン:「お客様はこの物件ご存知なんですか?」
お客さん:「いや、はじめて広告で知ったんだけどね」
営業マン:「そうでしたか…」

さて、この場面からどのような対応が考えられるだろうか。
お客さんの質問に素直に「○○です」と答えるのが「筋」なのだろうか。

では、私流の「やり方」を参考までに紹介しよう。

おそらく、このお客さんの興味は「価格」であることが推測できる。
しかも、値引きが「当たり前」の前提で物事を考える傾向もありそうだ。

まずは、その真意を見極めることが大切な要素だろう。
場合によっては、他の要素よりも「価格優先」で購入する人かもしれない。

ということは、商談プロセスの段階で言えば、いきなり「クロージング」から入ってみてもおもしろい。
そんな時、私だったらこんな質問をぶつけてみる。

「もし仮に購入するとしたら、いくらだったら即決していただけますか?」

この手法は、いわゆる「テストクロージング」の王道みたいなものである。
この質問による回答から、このお客さんの真意がおおかた判明するだろう。

もし、お客さんの返事が「いや、まだ見てないから言えないよ」だったとしたら、「そうですよね、じゃあ、まず見ましょうよ!」となる。

そうすると、今後の絵図(展開)が実に描きやすくなるではないか。
もちろん、返答次第で「継続か」「打ち切りか」を見極めることも可能だ。

このように、営業とはどこにイレギュラーが潜んでいるか分からない。
いや、むしろ机上のとおりに進むことの方がめずらしいかもしれない。

しかし、どんな場面でも自分の取るべき行動に「何が最適か?」を見いだすためには、「普遍的な営業の定石」がまずは基点となる。

そして、あらゆるレギュラー、イレギュラー場面を経験することで、自分にとっての「最適解」が瞬時に判断できるようになるのだ。

***

営業とは、最初から100%の成功はありえない。

うまく出来なくて「当たり前」。

営業は、なんと言っても「経験」がものを言う。

自分のものでも他人のものでもいいから多くの商談に触れること。

クレーム場面、修羅場の場面も喜んで行くぐらいでないとダメ。

「命」までは取られないが、「命をかける」ぐらいでないとダメ。

このギリギリの経験値こそが本当の意味で「営業の年輪」を確かなものにする。

大切なのはどんな経験から何を掴んだかである。

掴んだものから「営業の勝ちパターン」が徐々に見いだせるようになる。

営業の勝ちパターン化は、あらたな「営業の定石」に進化する。


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