2013年03月25日

商談プロセスの定石(実践ケース編)

前回「商談プロセスの定石(フォロー営業編)」では、フォロー営業とは顧客との関係を「持続可能なものにするため」に行うものであり、企業にとっての「生命線」であることをお伝えした。

今回は指向を変えて、実践現場の視点から商談プロセスを捉えてみよう。

まず、これまで示してきた商談プロセスの意義についてまとめると次のとおりとなる。

 ・商談とは受注獲得を目指した営業活動の一部である。
 ・受注を獲得するためには、一連の流れを考えることが必要になる。
 ・一連の流れとは、目的が異なる幾つかの段階で構成されている。
 ・その段階を明らかにさせ、全体像を示したものが商談プロセスである。

このような定義から、これまで各段階の目的や到達点などについて『定石』を示してきた。
定石とは、物事を動かそうとする時の最善となる方策である。
その成功率を担保する大きな要素が、営業原理とも言える普遍的な理論や科学的根拠である。

しかし、それだけで営業現場がまっとうできるとは思わないでほしい。
なぜならば、商談プロセスなるものは、売り手側の都合で導き出された「解」だからである。

当然、お客さんからしてみれば、売り手側のプロセスなんて関係ない話。
まず、アプローチ、次に情報収集、そしてプレゼン、最後にクロージング…
売り手側は、机上論どおりに進めようとしても、お客さんは描いたとおりに従ってくれるわけではない。

お客さんによっては、資料請求から入る人、電話やメールで問い合わせる人、来店する人、訪問を拒絶する人、値引き交渉からいきなり入る人など様々。
売り手のプロセスなどお構いなく、買い手都合で進めようとする。

もちろん、お客さんはそれでいい。
しかし、売り手がお客さんのペースですべて進めてしまうのは少しばかり問題だ。

そこで、営業マンの「実践適応力」が求められるのである。
ここに一つケース事例をあげてみよう。

例)「ある不動産の広告チラシを見て、お客さんから電話で問合せがあったケース」

  お客さん:「今日の広告をみたんだけど…」
  営業マン:「ありがとうございます」
  お客さん:「この○○の物件なんだけど、いくらまで安くできるの?」
  営業マン:「お客様はこの物件ご存知なんですか?」
  お客さん:「いや、はじめて広告で知ったんだけどね」
  営業マン:「そうでしたか…」

さて、あなただったら、この状況からどんな展開を考えるだろうか?

次回「商談プロセスの定石(実践適応編)」において、上記のケースから考えられる対応についてひも解いてみるとしよう。


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2013年03月15日

商談プロセスの定石(フォロー営業編)

前回の「商談プロセスの定石(事後処理編)」では、次のことを示した。

 ・営業活動は「受注獲得」で終わりではない
 ・提案商材によっては受注獲得後に本領を発揮しなければならない
 ・事後処理は、明確な業務標準に従って行うものである

今回は、商談プロセスの新たな幕開けとなる「フォロー営業」について触れてみることにしょう。

私は過去に「よく売る」営業マンをみてきたが、次に示す要素があったとしたらどう感じるだろうか?

契約を取るまでは、足しげく何度もお客さんに会うが、売った途端にパッタリ行かなくなる者。
売ったはいいが、いつもクレーム処理に追われる者。
二度とお客さんに会えないような売り方をしている者。

このように、いくら「よく売る」ことができても、これで営業職の責務をまっとうしていると言えるだろうか。
いや、到底認めるべきではないだろう。

これらの者たちの末路は、たいがい退職 ⇔ 転職を繰り返すことが多い。
そして、自分が気づかないかぎりは、違うフィールドでも同じことを繰り返すはずだ。
これでは、営業マンとしての「資質」が問われても仕方ないと言える。

私は、「営業マンとは、企業の姿そのものである」と思っている。
その主体となる営業マンが責務をまっとうできない、継続性が保持できないとなると企業の存続すら危ぶまれる。

商談プロセスを確実に歩み「見込み客を顧客化」するまでは良い。
しかし、それだけで終わりにしていたら事業の継続性が保持できない。
今度は、「どうやって顧客を得意客にしていくか」に企業存続のカギが隠されているのである。

つまり、フォロー営業とは企業にとっての生命線である。
そして、顧客との信頼関係を持続可能なものにつくりあげていくためでもある。

この2つを前提として、今度は「得意客化」するためのあらたなプロセスを考え、実行することだ。

私が思うには「営業にとって真の姿がここから現れる」と言ってもいい。

なぜならば、これまで歩んできた商談において、

  「お客さんにとって最適な提案(商材)はこれです!」
  「こんなメリットがあります!」
  「こんなことが実現できます!」


と言い切って営業をしてきたはずだ。

お客さんは、その言葉を信用し、納得して決断したわけである。
営業マンにとって、その言葉通りにまっとうする責務は非常に重いと言える。

私も、営業マン時代に上司からこんなことをよく言われたものだ。

「いいか、契約を取るために一生懸命やるのは当然だが、買ってもらったお客さんには、もっと一生懸命やれ!」と。

アプローチ編」で少し触れた話だが、本当の意味でお客さんとの信頼関係は、ここから結ばれると思うわけである。

信頼を獲得すれば、お客さんの頭の中で「自社のポジション」が確立できる。
ポジションが確立できれば、他社を排除した「特命ビジネス」が行えるようになる。
更には、お客さんの持つ「ネットワーク」に参入する権利が与えられる。
ネットワークの参入は、「紹介案件」を呼び込む。
紹介案件の獲得は、すなわち「最優良見込み案件」を手にすることである。

まさにこれ、「持続可能な営業活動(=サステナブル・ビジネス)」と言うべきものであり、「営業の真髄と醍醐味はここにあり!」と言ってもいいだろう。

さて、これまで商談プロセスの「あり方」や「やり方」を段階別で捉えてきた。

次回は、「商談プロセスの定石(実践ケース編)」ということで、
「商談プロセスの定石をいかに実践的に活かすか」
という現場主体のケース事例に合わせた『適応力』について取り上げてみよう。


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2013年03月04日

商談プロセスの定石(事後処理編)

前回「商談プロセスの定石(保留対処編)」では、次のことを示してきた。

・お客さんには「決める(=白色)」、「断る(=黒色)」、「保留する(=灰色)」の3つの選択肢が与えられている
・「灰色案件の法則」から、業績向上のカギは「灰色案件の白黒化」にかかっている
・色の差は、クロージングによるところが大きい
・今後の方向性を明らかにさせるためにクロージングがある

さて、今回は「白色案件」、すなわち受注獲得した後の段階である「事後処理」についてスポットをあててみよう。

営業活動は、「念願の受注獲得!めでたし、めでたし…」で終わりではない。
提案商材によっては、これから本領を発揮しなければならいこともある。

不動産販売業であれば、住宅ローン手続き、引渡し業務、決済段取りなどの残務処理。
住宅関連業であれば、建築施工や設備導入・設置を含めた作業業務。
我々のようなコンサル系であれば、提案内容に基づいたオペレーション業務。
そして、各種アフターやフォローアップ業務など。

いずれにせよ、この段階は「見込み客」が「顧客」に変わる局面になる。
どこで、業務完了とするかは業種業態、商材によりマチマチだが、最後まで気を抜くことなく業務をまっとうしなければならない。

特に大切な要素をここに取り上げておこう。

まず、共通事項としては、受注確定後から業務完了までのプロセスをお客さんに提示してあげることである。
おおまかな内容としては以下のとおり。

   いつ、どこで、何をするのか?
   誰が何を行うのか?
   どんなことを取り決め、何を約束するのか?
   何をもって完了とするのか?
   完了したあとは、どんな対応をするのか?
   お金の支払い方法やリスクの保全措置は?

このように、きちんと「明文化」し、必要であれば契約書や発注書、約款など文書で取り交わし、お客さんと双方できちんと確認すること。

また、「言った、言わない」など、つまらぬことでイザコザが起きないように注意を払うことも大事。

まぁ、この段階は「実務レベル」の要素が大きいと言える。

専門部署を含めた内外連携、業務知識レベル要求、技能資格レベル要求、作業工程、など、おそらく各企業で明確な「業務標準」がそれぞれ用意されていると思う。
もし、無ければ早急につくりあげておくことを是非ともお勧めしたい。

ここで一旦、これまでの流れを整理しておこう。

受注獲得 ⇒ 事後処理 ⇒ 業務完了 ⇒ 「顧客化」 ⇒ 「 ? 」


このような流れから、業務完了をもって「見込み客」が「顧客化」する。
では、「?」は何だかおわかりだろうか?

そう!営業活動は「顧客化」しても終わることはない。
「?」は、すなわち「得意客化」である。

企業というものは、永続的な活動をもって繁栄していくことが至上命題。
一回こっきりの取引で、いつも終わらせていると企業経営は成り立たないのだ。

そこで、営業マンは自社の顧客を得意客にしていく活動が求められるのである。

次回は「商談プロセスの定石(フォロー営業編)」ということで、顧客を得意客にしていくための営業活動のポイントについて触れていこう。


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