今回は、「商談締結」というエンディング場面でのクロージングについて、そのポイントを取り上げてみよう。
商談の締結とは、これまで歩んできたプロセスの成果が「一旦」ここに集約される。
売り手側の視点では「決断を求める」、お客さんの視点では「意思を告げる」といったところか。
「段階締結編」でもお伝えしてきたが、商談締結とは段階締結の延長線上にある。
従って、特段に身構えることも改まることもなく、自然な流れの中で「同意を求める姿勢」に変わりはない。
また、同意を求める際の「決め文句」も、自分がストレスを感じない言葉を投げかければ十分だ。
私も、これまで数え切れないくらいのクロージング場面を自ら経験し、立ち会ってもきたが、決め文句は非常に単純だ。
「これでよろしいですか?」
「これで大丈夫ですね?」
「問題ありませんか?」
「ご契約、いつにしましょう?」
このように、非常にシンプル。
しかも、作為の感じる言葉でも何でもないことがおわかりだろう。
これも経験上の話しだが、歩んだプロセスに問題なければ、わざわざ「決断に迫る」必要もなく、お客さんの方から進んで「意思決定」してくれることもめずらしくない。
もし、お客さんの「踏ん切り」がつかなければ、ポン!と背中を押してあげればよい。
もし、「ためらい」があれば、支援する気持ちで不安を解消してあげればよい。
商談締結のクロージングとは、こんな程度であると思っている。
あとは、お客さんが「同意」すれば、めでたく受注獲得に結びつくわけだ。
受注獲得、すなわち、商談成立後のプロセスについては、提案商材によってマチマチであるから、自社に則した「事後処理」について進め方を考えていくことになる…
と、ここまでトントン拍子で話しを進めてしまったが、
「現実は、そんなうまく事が運ぶわけないだろ!営業現場をなめるな!」
と思った方もいるだろう。
そう!実は、大変重要となる現実的な要素が一つ抜けていた。
それは、
『もし、お客さんが「保留」した時にどうするか?』
ここを語らずして、クロージング段階は終わりにはできない。
ということで、次回「商談プロセスの定石(保留法則編)」に引き継ぐとしよう。




