2012年10月27日

営業ロールプレイング(指南編)

これまで営業ロールプレイングについて「定義編」⇒「本質編」⇒「思考編」⇒「実行編」という流れで解説したが、総括の意味を込めて「指南編」と「奮闘編」でシリーズを締めてみたい。

今回は、その「指南編」となる。

では、早速、本題へ。

定義編」の冒頭で、『営業ロープレは、実践現場(商談)での「適応力」を養うために効果てき面である』ということをお伝えした。

にもかかわらず、ロープレ訓練を行っている営業マンは少ないと言える。

なぜならば、弊社の営業研修でロープレを行えば、日頃からトレーニングしているか、していないか、いちいち本人に訊かなくてもすぐにわかってしまうからだ。

では、なぜ訓練率が低いのか?

これは多くの企業共通の課題と言えるのだが、「トレーナー(=指導者)がいない」ことが原因の一つに挙げられる。

そもそも、営業ロープレをトレーニングとして行う企業風土がなければ、トレーナー不在もうなずける。

仮に、「実施したことがあるが今はやっていない、もしくは、実施したものの効果がでない」と言った場合は、「トレーナーの質的問題」に目を向けなければならない。

弊社の営業研修で行うロープレは、一流講師がトレーナーも兼任する。

では、社内で行う場合は誰がトレーナーになるのか?

これは、営業(プレイング)マネジャーが適役だと言える。

なぜならば、トレーナーとしての「資質」を一番兼ね備えているからである。

その前提は、経験値、実績、スキル面もあるが、何より「自社営業のあり方を理解している」ことである。

「自社営業のあり方」つまりは、自社の営業戦略(上位戦略)を理解し、実行プロセスを策定させたうえで、どう現場に伝え、いかに成果を出すのかを考えるのは、営業マンでも役員でもなく「営業マネジャー」の務めである。

だから、戦略実現のために与えられたチーム目標(予算)を達成するには、営業マン(メンバー)に必要な力を身につけてもらわなければ困るのである。

そのためのトレーニングが「営業ロープレ」ということだ。

営業ロープレを行う場合、トレーナーの視点は次のとおりである。

 ・思考レベルのチェック ⇒ しっかりと考えているか?
 ・実行レベルのチェック ⇒ 考えた事を行動に移しているか?
 ・何ができて、何ができていないのか? ⇒ どうすれば出来るようになるか?

このような所から営業マンの課題と達成度をチェックすることが重要な要素となる。

また、それを担うのは営業マネジャーであり、社内ロープレトレーナーとしての資質を磨きあげる必要があるのだ。

「資質を磨きあげる」とは、自分が築き上げてきた独特の営業哲学や感性による「ものの尺度」から、「どう科学的に営業を捉えるか」を養うことを意味している。

営業ロープレを行うと、営業マン一人ひとりから様々な課題が見えてくる。

それは個人レベルの範囲で片付けるものではない。

営業ロープレは「万能なトレーニングではない」が、そこを取っ掛かりとして「営業部門全体の課題として取り上げるべき要素がどこにあるのか?」を知ることが大切なのである。

さて、これまで営業ロールプレイングについて「企業としてどう捉え、どう取り組んでいくのか?」を全5回に渡りお伝えしてきた。

次回は、少し角度を変えて、営業マンの視点で「ロープレとどう向き合うのか?」、私自身の経験談を交え「営業ロールプレイング(奮闘編)」で締めくくることにする。

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2012年10月22日

営業ロールプレイング(実行編)

前回「営業ロールプレイング(思考編)」は、営業ロープレで大事なのは一次的部分の「思考レベル」であり、そこから「実行レベル」をトレーニングする二次的要素に結び付くことをお伝えした。

今回は、その二次的な「実行レベル」について触れてみることにする。

とは言っても、「思考レベルが備わってこそ」の前提は忘れないでいただきたい。

では、「営業ロープレをどうやるのか?」というと、「やり方」は様々ある。

ここでは社内で行う場合を取り上げてみたい。

まず、決めておくことは「商談プロセス上の、どの場面をトレーニングするのか?」である。

商談には、あらゆる場面での対応が要求されるわけで、一通り「こなせる」ようにしなくていけないのは当然だが、特に課題を感じている部分があれば、そこを重点的にトレーニングしても良い。

主な場面想定としては次のとおりとなる。

  @初回接点場面
  Aヒアリング場面
  Bプレゼンテーション場面
  Cエンディング場面
  D質問回答場面
  Eネガティブ対応場面(顧客の意見・反対・反論・要請など)

では、各場面でのロープレ設定はどうするのか?である。

通常、ロープレは、営業役、顧客役の2人一組で実施することが多い。

もし、社内で営業マン同士がロープレを行うのであれば、基本設定は営業役(本人)が決める。

その際、架空の設定でも良いが、実際の仕掛かり案件を取り上げて行うとより実践的である。

設定項目としては、顧客の基本情報、簡単なこれまでの商談経緯(いきさつ)、提案商材、場面の特定、目的および到達点などである。

これらを決めたら、その内容を顧客役に伝える。

顧客役は、設定内容を把握したうえで、顧客の立場でどんな対応を取るべきかを一通り考えておく。

実は、ロープレ成功の秘訣は「顧客役」が握っていると言っても良い。

なぜならば、顧客役の「さじ加減一つ」でロープレの難易度を調整することが可能だからだ。

営業役の「デキ具合」で、都度レベル調整できるように柔軟な姿勢で対応を心掛けることが必要だ。

そして、一通り終わったら互いでロープレ評価を行う。

「何が出来たか、何が出来なかったか」を分析し、「どうすれば良いのか」など、話し合いを持つと良いだろう。

以上のように、定期的に反復してロープレを行うことで実行レベルの向上を目指していくわけである。

一方、弊社が営業研修で行うロープレも差ほどやり方に変わりはないのだが、一つ違うことがある。

それは何かというと、
「プロのトレーナー(研修講師)の存在」である。

ロープレは、あくまで本番(商談)に備えたトレーニングである。

一流と言われるスポーツ選手(チーム)には、一流のトレーナー(コーチ)がいることからわかるように、営業ロープレにも「トレーナーの存在」が欠かすことができない要素だ。

弊社の営業研修では、一流のトレーナーがロープレすべてに関わり、模範を示し、マンツーマンの指導を受けることが可能だが、あくまでもスポット的なものである。

重要なのは、それを社内に持ち帰って実施した時の「社内トレーナーの存在」なのである。

この続きは、次回「営業ロールプレイング(指南編)」でお伝えするとしよう。


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2012年10月18日

営業ロールプレイング(思考編)

前回「営業ロールプレイング(本質編)」において、次のことをひも解いてきた。

・営業ロープレは商談プロセス上における実行力を養うためのトレーニングであること。
・反復改善トレーニングを積み重ねることで、その「力」が身につくということ。

さて、今回は「思考」という部分で営業ロープレを捉えてみることにする。

営業ロープレというと、どうしても「セールストーク」の部分がクローズアップされる。

流れるようなトーク、人を惹きつけるトーク、力強いトーク…

どれも営業マンなら「是非とも身につけたい!」と思うだろうし、ロープレで訓練すれば個人差はあれど、うまくなることは十分に可能だ。

しかし、これらのトークは商談プロセスを実行していくうえで、実は大きなウェートではないように思える。

私流に表現すると、「二次的な実行レベル」と言ったところか。

では、一次的な部分は何か?ということになる。

それは、実行レベルをつかさどる考え方、すなわち「思考レベル」なのである。

何かを実行に移すということは、正しい思考を持たないと当然に正しく機能しない。

いくらトークスキルをロープレで磨いたところで、元の思考がズレていたら無駄な努力になり得るのだ。

では、「思考レベル」とは一体どんなものか?

簡単に言うと、「どんな考えで実行しているのか?」ということ。

例えば、スムーズに商談を展開させるだけの実行力を身につけるには、どこをゴール(目的)として、どんな「筋書き」を描いているのか?と言った思考レベルが前提となる。

他にも、相手から情報を得るためのヒアリングトークを身につけるためには、どんな質問をどんな理由で聞くのか?と言う事も思考レベルの領域である。

私が研修講師の立ち位置で、これまで多くのロープレ指導を行ってきたが、まず気づくのは「思考レベルの弱さ」である。

しかし、この部分は、

ロープレで鍛えられるものではない。

正しい知識、物事の捉え方、論理的な解釈などのフレームワークを確立させなければならないのだ。

しっかりとした思考があれば、あとは「どう実行レベルを向上させていくか」の問題だ。

その解決手段の筆頭が、「営業ロープレでトレーニングする」ということなのだ。

さて、次回は、「営業ロールプレイング(実行編)」で、その「やり方」の部分に触れてみることにする。



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2012年10月10日

営業ロールプレイング(本質編)

さて、前回「営業ロールプレイング(定義編)」は、営業ロープレとは何か?について解説したが、今回は、もう一歩踏み込んで「本質的な部分」について触れてみたい。

営業ロープレとは、ある領域をトレーニングすることで「実践適応力」を身につけるために実施するものである。

そのある領域とは、「商談プロセス」にある。

ここを勘違いして、営業力強化に「万能なトレーニングである」と思ってしまうと、思わぬ落とし穴がまっている。

なぜならば、営業ロープレは営業活動全体の中で「商談プロセス」という一部の領域をトレーニングするに過ぎないからだ。

商談プロセスとは、見込み客(顧客)と商談の機会を設け、一連の流れの中で受注獲得を目指すためのセオリーである。

その一連の流れとは、幾つかの段階で構成されており、各段階を確実にステップアップ(クリア)しながら完結させていくことで受注獲得に結び付く。

つまり、各段階をクリアするだけの『力』、すなわち「実行力」が身についていないと商談全体を完結させることが出来ないと言うことだ。

たから、営業ロープレで「そこ」をトレーニングするわけである。

では、具体的にどんなトレーニングを行うのか?大まかに記してみよう。

・話し(商談)ができる体制にするためのコミュニケーショントレーニング
・自分の会社を正しく理解してもらうための自社紹介トークトレーニング
・「相手を知る」ためのヒアリングトレーニング
・相手を説得に導くためのプレゼンテーショントレーニング
・商談を締結させるためのネゴ・クロージングトレーニング     など

このように、様々な段階をクリアするためには、

・どんなツールを用意し、どのタイミングで、どんな見せ方をし、どんなトークを行っていくのか?
・相手の意見、質問、反論、要請などに対し、どんな対応を行えばいいのか?  など

商談中に起こりえる出来事を想定したトレーニングを行うわけである。

よく、営業研修でロープレを行うと、「緊張してうまくしゃべれなかった」、「思ったことがうまく話せなかった」、「順序立ててうまく伝えられなかった」、「相手の不意な質問にうまく答えられなかった」など、受講生からのコメントがよく出る。

こんな時、私は必ずこう返すようにしている。

「ロープレでうまく出来なかったからって、まったく問題なし!うまくなるためには、トレーニングを積み重ねればいいだけのこと。そのためのロープレなんだからね」と。

事実、ロープレは最初より2回目、2回目よりは3回目と「反復改善トレーニング」を積み重ねることで、格段にうまくなるのは経験上実証済みだ。

しかし、盲点もあることを忘れていけない。

うまくの部分に再三アンダーラインで強調したが、私が営業ロープレトレーナーとして注力している点は、「うまく出来ているか、いないか」ではない。

では、何に注力しているかというと、
「どんな考えを持って実行に移しているのか?」ということである。

ここが、営業ロープレが「万能ではない」という所以(ゆえん)である。

この続きは、次回「営業ロールプレイング(思考編)」でお伝えするとしよう。


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2012年10月03日

営業ロールプレイング(定義編)

営業力や商談力の強化策として「ロールプレイング」の重要性が再び注目されてはじめている。

このロープレ、営業研修では今や「定番」になっているカリキュラムであり、もちろん、弊社の営業研修でも導入率は相当高い。

なぜ、営業にロープレが必要なのか?

これは、あえて言うまでもないが、実践現場(商談)での「適応力」を養うために効果てき面だからである。

営業主体の企業であれば、ロープレを社内訓練として導入しているところもあるが、私の知る限りでは、多くの企業において『社内訓練率が高い』とは一概に言い切れない。

また、『営業研修でロープレを実施したとしても、本当に営業力強化⇒即、成果に結び付くのか?』と言った、「ロープレ懐疑論」を抱いている企業担当者もいる。

このような実態をふまえ、まずは「営業ロープレの定義」について触れてみることにする。

まず、身近に「ロールプレイング」といったら、何を思い浮かべるだろう?

ある程度の年代?までの人は、TVゲームソフトの「RPG(=ロールプレイングゲーム)」を連想する人も多くいるのではないかと思う。

このRPGとは、ゲームソフトの人気カテゴリーの一つで、「スーパーマリオ」や「ドラクエ」、「ファイナルファンタジー」などが昔から有名(?)である。

もし、「RPGはどんなゲームなの?」と聞かれたらどんな説明が適切なのだろうか?

私が答えるとしたら、きっとこう言うだろう。

「RPGとは、バーチャル(仮想)の世界で与えられた役割(主人公)になりきり、その使命を果たしながらゴールを目指していくゲームのことだよ」と。

さて、これでピンと来た人は実に勘がいい!

なぜならば、RPGの説明の中で「ゲーム」という言葉を「トレーニング」に置き換えるだけで、『営業ロープレの定義』がそのまま説明できてしまうからだ。

では、営業の世界で『役割』 『使命』 『ゴール』 とは何か?

これをひも解けば、「営業ロープレの本質」が見えてくるかもしれない。

仮に、営業の役割を「お客さんとの接点づくり」とし、使命を「受注獲得で収益をあげる」こと。そして、ゴールは「目標(予算)の達成」にすると、営業ロープレの定義はこうなる。

「営業ロープレとは、営業マンとしてお客さんとの接点をつくりあげながら、受注獲得により収益をあげ、最終的に目標達成を目指すためのトレーニングである」

こうした定義を見ると、営業ロープレが「万能なトレーニング」のように思えてくる。

しかし、それは違う。

つまり、営業ロープレは「万能ではない」ということだ。

では、営業ロープレのトレーニング領域はどこか?

それは、「商談プロセス」の領域にあるのだ。

冒頭で、営業ロープレは、実践現場(商談)の「適応力」を養うために効果てき面だと言ったが、そこに営業ロープレの本質が隠されているのである。

この続きは、次回「営業ロールプレイング(本質編)」でお伝えするとしよう。


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